医療法人社団正圭会 福地医院
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ビタミンについて
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 ビタミンは、体には欠かせない栄養素の一つで、食物の成分である炭水化物・脂質・たんぱく質・ミネラル等とともに、5大栄養素の一つです。ビタミンは、それぞれの栄養素の働きを円滑にするための潤滑油のような働きをしています。体内で合成されないので、体外から食物などで取り入れなければいけません。

水溶性と脂溶性
 ビタミンは、水に溶ける水溶性と油脂に溶ける脂溶性の二つのグループに分かれます。水溶性は、ビタミンB群とビタミンCの9種類、脂溶性は、A・D・E・Kの4種類です。
 水溶性は、水に溶けやすいので、調理のときに水に浸し過ぎないことが大切! または、スープの具にしてスープごと頂くという手も良いと思います。必要量を超えると尿中に溶け出してしまいますから、毎食摂ることをお勧めします。
 一方、脂溶性は、油と一緒に摂ると効果的です。調理の際、油を使用すると良いでしょう。多く摂った分も蓄える事も出来ますが、毎日適量摂取することをお勧めします。但し、過剰症もありますので、サプリメント等で必要以上摂ることは良くありません。
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水溶性 種類 所要量 主な働き 代表的食品 不足すると
ビタミンB 成人男1.1
成人女0.8
(r)
糖質の代謝を調節
脳や手足の神経の働きを正常にします。
豚肉・枝豆・穀類・豆類・胚芽・緑黄色野菜など 足のむくみ・だるくなる・脚気など
ビタミンB 成人男1.2
成人女1.0
(r)
全ての栄養素の代謝に関わり、成長を促進させたり皮膚や口内粘膜を保護する働き 肉・チーズ・卵黄・豆類・ワカメ・しいたけ・粉乳・緑黄色野菜など 口内炎や舌炎など口の中の異常が現れる。
貧血や角・結膜炎、脂漏性湿疹の原因
ナイアシン 成人男17
成人女13
(上限) 
成人30
(r)
皮膚の代謝に関与 落花生・鰹・たらこ・干椎茸・鮪・鯖・レバー・豆類・緑黄色野菜など 口内炎・胃腸炎・皮膚炎・神経症状
ビタミンB 成人男1.6
成人女1.2
(上限) 
成人100
(r)
身体を作る基本物質、たんぱく質や脂肪の代謝に関係 バナナ・鰹・鰯・鮪・くるみ・豚肉・のり・イカなど 皮膚炎・貧血・浮腫など
ビタミンB12 成人2.4
(μg)
たんぱく質の代謝に関係
コバルトを含む赤いビタミン
レバー・貝類・卵・チーズなど、動物性食品 悪性貧血・神経疾患
葉酸 成人200
(上限) 
成人1000
(μg)
たんぱく質を作るのに関与し、妊婦・授乳婦などに、又、赤血球の形成に役立ち貧血に効果 ほうれん草・牛レバー・キャベツ・人参・トマト・モロヘイヤなど 貧血、出血のある病気に対する抵抗力減少
妊娠中の女性に欠乏が見られることがある
パントテン酸 成人5
小児3〜4
(r)
B1とともに糖代謝、B2とともに脂質代謝に関与
善玉コレステロールを増やす
牛乳・さつま芋・トマト・牛肉・モロヘイヤなど
(多くの食品に含まれる)
焼けるような足の痛み、眩暈、成長停止、頭痛、手の麻痺、副腎障害
ビオチン 成人30
(μg)
腸内細菌により合成
脂肪・糖質・たんぱく質の代謝に関与
欠乏の報告はない
多くの食品に含まれる
糖質代謝の低下、食欲不振など
ビタミンC 成人100
(r)
コラーゲン生成、毛細管・歯・軟骨結合組織の健在、Fe吸収、ビタミンEの再利用、コレステロール代謝に有効
体内に1.5g程度貯蔵
みかん・イチゴ・ほうれん草・ブロッコリー・ピーマン・芋・類豆・緑茶など 壊血病・皮下出血・骨形成不全・貧血・成長不全・歯肉色素沈着症など
脂溶性 ビタミンA 成人男2000
成人女1800
(上限) 
上限5000
(IU)
皮膚・粘膜を健康に保つ
薄暗い所で視力を保つ
抗癌作用
細胞内遺伝情報伝達過剰症を起こすことあり(100000IU以上)
バター・牛乳・チーズ・卵・マーガリン・鰻・レバー・緑黄色野菜など 夜盲症、乾燥眼、炎感染に対する抵抗力減少、成長とまる、骨・歯の成長が悪い、皮膚や粘膜の上皮の角化
ビタミンD 成人100
(上限) 
上限2000
(IU)
紫外線に当ると皮膚に生成、主に肝臓に蓄えられる、正常な骨の発育
過剰症を起こすことあり
レバー・鰯・鰹・鮪・しらす干・マーガリン・きのこ類など 小児ではクル病
成人では骨軟化症・骨粗鬆症
ビタミンE 成人男10
成人女8
(上限)
上限600
(rα−TE)
Aやカロチンの酸化を防ぐ
生体膜を健全に保つ
老化防止に役立つ
豆・マーガリン・アーモンド・ピ−ナツ・南瓜・鰻・小松菜・ほうれん草など 歩行失調、腱反射消失、位置感覚障害など
ビタミンK 成人男55〜65
成人女50〜55
(上限)
上限30000
(μg)
血液の凝固に関与 納豆・ブロッコリー・ほうれん草・肉・サラダ油など 血液凝固時間が延びる
新生児の出血性疾患
(ワーファリン服用患者は医師と相談のこと)
  (注)所要量・許容上限摂取量=第六次改定日本人の栄養所要量
     ワーファリン=血栓を防ぐための薬
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