管理栄養士の栄養講座-腸内バランス
腸内バランスって何?
腸年齢を若く保つには!
人間の腸の中には莫大な腸内細菌が種類ごとにそれぞれのテリトリーで棲みわけているのです。それを電子顕微鏡でのぞくと、ちょうど野山に咲く草花が生い茂った草むらのように見える腸内フローラ(花畑)と呼ばれます。花畑が群生する場所によって違うように腸内フローラの状態も人間一人一人違うのですしかも刻々と変化します。誤った食生活を続けたりストレスをためたりすると悪玉菌(老化や病気を引き起こす有害物質や発がん物質を作ったり免疫力を弱め、人体にマイナスに作用する)の居場所を侵食していくのです。ほうっておけば腸が老化し、体の老化や病気に直結します。その状態は肉類中心で野菜をあんまりとらない食生活が定着している様な方、若い人の中にも少なくありません。若さに任せてスタミナをつけようと肉類を食べすぎたり、便秘ぎみだったりすると腸年齢は確実に老化します。
ばかりではなく!
バランスよく!
食品線維ビフィズス菌の増殖を助けるオリゴ糖
をたっぷりとりましょう。
(根菜類)
ごぼう
大根
れんこんなど
(豆、豆製品)
納豆
きなこ
大豆
おからなど
(芋類)
里芋
さつま芋
ジャガ芋など
(乳、乳製品)
牛乳
ヨーグルトなど
(緑の濃い野菜、玉葱など)
アスパラ
(海藻、きのこ、こんにゃく)
【腸内細菌のバランス】
その1
10項目のうちあなたは
いくつ当てはまりますか?
 腸内にいる百種類、百兆個もの細菌のバランスと老化の間には密接な関係
があり、年齢によって変化する腸内細菌のバランスがくずれると腸が老化し、
生活習慣病にもかかりやすくなり、ひいては大腸癌などの原因にもなります。
あなたの腸年齢チェック
□朝起きたときに体がだるくやる気が起きない。
□肌に張りがなく、肌荒れが気になり、顔色も冴えない
0〜2点→良好
□朝食後に便意がない。トイレに10分以上座るほど 便秘ぎみ 
□便の色が黒っぽく、臭気がきつくなった。
□運動不足で近ごろおなかが出てきた。駅の階段を駆け上がると息ぎれがする。
□最近疲れやすく、かぜもひきやすくなった。
□毎日の様に肉料理を腹一杯食べる。しかも野菜嫌い
□タバコを長年吸い続けている。
□飲酒の機会が毎日のように続く。 つい深酒をしてしまい、飲み疲れぎみ。
□ストレスを解消できる趣味がなく、友だちもいない
食生活、運動、精神状態などのライフスタイルは現状のままでほぼ大丈夫です。現状に甘んずることなく理想のライフスタイルを目指しましょう。
3〜5点→注意
まだ危険な段階ではありませんが注意を怠ってはいけません。食生活運動を見直しましょう。
6〜8点→不良
かなりひどい状態です。一日も早く腸内の悪玉菌を排除し善玉菌を増やす対策を講じるべきです。ライフスタイル全般を見直す必要があります。
9〜10点→深刻
体の健康度老化度もかなり深刻です。遠からず重大な病気に見舞われないとも限りません。できるところから原因を取り除きストレス解消も見つけましょう。
その2
【腸内細菌のバランス】
腸内環境を整えて抵抗力のある身体に!
腸内に住んでいる100種100兆個もの細菌が健康を大きく左右しています。
食物線維や乳酸菌が身体にいいのは?
豆や芋、海藻、野菜、精製度の低い穀物や種実、くだものなどに含まれる食物線維は、胃や小腸で消化されずに水分を吸って膨らみながら大腸に達し、便の材料となって便秘を防いでくれます。又、悪玉菌の生み出す有害物質を吸着して体外に排泄させる作用もあり、腸内をビフィズス菌が住みやすい快適な環境に整備するのに欠かせない成分です。ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌も腸内の有害物質の排泄を促し悪玉菌が増殖しにくい環境に整える働きがあります。なおヨーグルトには腸まで届く乳酸菌を含むものもありますが人それぞれの菌とは相性があり、定着することは難しいといわれています。
善玉菌はなぜ減りやすい?
たんぱく質や脂肪の多い食事に偏ったり、便秘や下痢、風邪などの病気や心身疲労などが続くと、腸内で悪玉菌が増え、相対的に善玉菌が減ってしまいます。又高齢になると悪玉菌が増え善玉菌が減ってきますが食生活によって挽回も可能です。
 *長寿村の人は善玉菌が優勢
ビフィズス菌検出率
ウエルシュ菌検出率
成人(42人)
31.8±6.6才 
  長寿村、棡原(17人) 
  82.1±7.2才     
東京都高齢者(37人)
78.4±10.4才
毎日食事に気をつけながら腸内環境をスッキリ整え健康な毎日を送りましょう。
ビフィズス菌の働き
善玉菌の代表のビフィズス菌は腸内で 糖を分解して乳酸菌や酢酸を多量に作り出し手います。この有機酸が増えて腸内が弱酸性に保たれると悪玉菌が住みにくくなって増殖が抑えられます。その他さまざまな活躍をします。
ビタミンB群Kを合成
便秘、下痢を予防
カルシウム鉄
の吸収促進
生活習慣病を予防
老化を遅らせる
病原菌の感染
から身を守る
免疫力を増強
発癌促進などの有害
物質を排除
オリゴ糖はビフィズス菌を助けます。
オリゴ糖はビフィズス菌の栄養となり増殖を助けることが明らかになってきました。
オリゴ糖を多く含むもの
   大豆、玉葱、ごぼう、ハチミツ

最近では生成したオリゴ糖も市販されています。
悪玉菌とは

   代表的なのはウエルシュ菌や大腸菌です。とくに魔物はウエルシュ菌でたんぱく質や脂肪と結びつくとアンモニアやアミン類、

   インドール硫酸水素、二次胆汁酸などの有害物質をつくり出します。これらが増えると癌や生活習慣病などの誘因となり、肝臓

   や腎臓にも負担をかけ免疫力を低下させたり 老化を促進したりさまざまな弊害をもたらします。

  
腸内細菌の変化を知るには

   悪玉菌が増える→便が黒みがかる、便もおならも臭いが悪い、便秘、下痢

    善玉菌が増える→便やおならがほのかな酸味臭、黄ばみをおびたバナナ状便

医療法人社団正圭会 福地医
トップページへ